一貫した塗装工程: 高品質と高い費用対効果を実現する塗装自動化
自動粉体塗装への導入は大きな一歩です、過去にそれまで塗装の経験を持たない中小企業にとってはなおさらです。ザクセン州エルツ山地の家族経営であるSchürer GmbH Metallwarenfabrikにも同じことが言えました。1904年創業で家庭用品やストーブなどを製造してきた同社は、現在、受託製造も積極的に行っています。また、自動車業界も顧客の一つです。現在では、自社で塗装を行うことで、効率と品質の大幅な向上を実現しています。
元々は、自社では塗装はほとんど行っておりませんでした。小さな手吹きブースが2つとオーブン1つあるだけでした。「これでは全然足りなかったです。」経営者のThomas Schürer氏は言います。「自社製品の80~90%は塗装業者に外注しておりました。」それでは割に合わず、しかもどんどん高くなってきました。こういった理由から自動塗装への投資に踏み切りました。大きな問題は、投資コスト、そして何よりも限られたスペースでした。自動化のソリューションとしてワグナーのコンパクトな"E-Line"に即決しました。"圧倒的な差で、ワーグナーは当時最高の提案を出してくれ、狭いスペースに完璧なシステムを提供してくれました。"Thomas Schürer氏も満足げです。Schürer社の敷地は4,500㎡と小さくはないですが、生産エリアはすでに埋まっていたのです。
人材にも問題を抱えていました。80人超の従業員で塗装訓練を受けたものはいませんでした。E-Lineの高度な自動化のおかげで、同社は多くの作業を標準化された方法で安全に処理できています。「システムは非常にわかりやすいので、操作にまったく問題はありません。」と役員は嬉しそうに語ります。自動粉体塗装システムはすぐに稼動できるようになったが、その後もさまざまな改良が加えられといいます。例えば、色替え時間は短くなり、粉体塗布性はさらに良くなりました。
Schürerのこれまでの成功は、反響を呼んでいます。手吹き塗装に比べ、粉体塗布は安定性が向上し、ずっと良くなりました。何より自社での製品塗装が800%大幅増ということが大きいです。「塗装業者への外注はほぼ無くなりました。」Schürer氏は説明します。シフトを増やせば、外注をゼロにすることも可能です。ただ、現時点では従業員数に限りがあります。業者に依頼するよりも自動化のほうが安いので経済的に見ても十分に投資するだけの価値があります。そうでなければ、多くの製品を提供することができなくなるでしょう、と役員は言います。塗装と一緒に前処理、例えば、リン酸鉄皮膜処理も社内化されました。
素早い色替えは保管容量の有効活用にも繋がります。同じ塗料を丸一日使おうが、1,2回色替えしようが違いはありません。以前は1つの塗料で塗った製品を全て売り切るまでは保管しておりました。現在では、次の日に必要な量だけを塗装しています。
しかし、まだまだ最適化のポテンシャルがあります。スペースに限りがあるため、オーブンがボトルネックになっています。十分なスペースが取れれば、より多くかつ早く塗装ができるようになるはずです。それでも、Schürer GmbH Metallwarenfabrikにとって、ここまでの投資は十分に価値のあるものでした。
「E-Lineはまさにこういったケースのために設計されています」ワグナーの工業部門の営業部長のHans-Joachim Heynは補足します。このシステムは自動粉体塗装を取り入れたいユーザー向けにデザインされました。「Schürer氏は自社製品を確実に塗装できる手頃なシステムを求めていたのです。」E-Lineは3Dレーザースキャナーのようなハイテクノロジーや不要不急の機能は省いています。省スペースにするだけでなく、経済的な面で魅力的にするためです。
Hans-Joachim Heynはその他の長所を説明します。「E-Lineはモジュラーシステムから組み立てることができるため、計画時のエンジニアリングコストが不要になります。」例えば、今回のケースの場合、ブース環境は非常に清潔であったため超音波振動ふるいは不要です。システムに全ての機能が備わっていなくとも、ワグナーが品質で妥協することはありません。ガンやコントロールモジュール、移送システムといった高い塗装品質に大きく貢献するコンポーネントはすべて高度に自動化された工場でも使用されています。新しい配管のデザインをワグナーは誇りに思っています。ほんの数年前までは、乱流を維持する必要がある丸いパイプを使っていたのです。一方、L字型に曲がった新しい角パイプでは層流が発生し、ワグナーによるとエネルギー消費量が約40%削減されるそうです。
Source: Jan Gesthuizen, BESSER LACKIEREN (No. 20, Page 8, 07.12.2021)
Pictures: Editorial BESSER LACKIEREN, Schürer GmbH Metallwarenfabrik